2019年は非常に日本にとってよかった年でした。
新極真会、極真会館(松井派)ともに世界大会で日本人が優勝できたのですから。
話を新極真会に転換しますと、昨年から2年前に行われた世界ウェイト制において、日本人が7階級で優勝したことで、今回の世界大会においても、日本人が優勝するのは目に見えていると思った人もかなりいたのではないかと思いましたが、実際はかなり危険で、海外のダークホース的な選手が多数入賞、あるいは台頭を表す結果になりました。
中でも驚きだったのは、マシエ.マズール選手(ポーランド)でしょう。
マシエ.マズール
彼は3年前の全日本大会に出場してベスト8入りで終わり、その際も下段を効かされての敗退でしたから、体力の基本がなってないんじゃ…と思いましたが、その敗退にめげることなく修練を重ね、それでヨーロッパ大会重量級で3連覇をはたし、それで世界大会では準優勝を果たすのですからまさに天晴ですね。 その精神的な楽観主義には目を見張るばかりです。
「ヨーロッパ大会で優勝したのにこんなところで負けて…」と悔やむことなく、練習を重ね、これまで連続して全日本大会でベスト4入りした前田勝汰選手や、ヨーロッパ大会で20回近く優勝してきて、自分もまけたことのあるヴァレリー.ディミトロフ選手に打ち勝っての準優勝ですから、その快心ぶりにはあっけにとられるほどでした。
前田勝汰
しかし、思ったのは彼は器用さが非常に希薄なんですね。 構えをみればわかりますが、そんなにカッコよくないですね正直(苦笑)
それに組手中に、踏ん張る場面が多々あるために、相手の技を受けてしまう場面がちょくちょくありました。 それで腰も切れずに技を出してしまっている。
しかしそれでも、彼の場合は技の1発1発が重いし、それでいてスタミナもかなりある。
それでいて打たれ強いわけです。
ゆえにあのように勝ち上がることが可能であったのです。
構えがカッコ悪くてもいい、組手が不器用でもいい、技に反応し損ねていてもいいんです。
試合にそれで勝てていれば結果オーライなのですから。
マシエのような組手をしていると、テクニックが最重要という通念が流布されてしまっている松井派では評価されないで終わる危険性が大です(笑)
それでまず、その構えから直され、器用な組手をするようにアドバイスが入る。
それで自分の持ち味(強烈な技、スタミナ、打たれ強さ)を生かすことができないまま台頭できずに終わる、というパターンも想定されます。 非常に危険ですね。
そこを松井派の人間は認識すべきでしょうね。
始めは不器用で雑な組手をしていても、それでも持ち味の強烈な技やスタミナをさらに強化させていった結果、器用さも持ち合わせて、しまいには盤石な強さを得れるようになった例として、七戸康博、鈴木国博、エウェルトン.テイシェイラといった選手たちを引き合いに出してきました。
鈴木国博
不器用でもいいんです。
汚い組手でもいいんです。
そんなのいずれ直せるんですから。
それよりも、攻撃力のあることをほめて、更に攻撃力アップ、スタミナアップ、テクニックアップの方法を施していけば、いずれマシエのような盤石の選手をつくることができるのです。
それを認識せずきれいな組手をまず最初にありきでは、そんな綺麗な組手をすることができる人は少ないですから、自分はダメなんだと誤った認識を生徒がもってしまいいずれやめてしまうということも考えれます。
そう終わらないためにも指導する立場の人は心していきましょう。
彼の活躍を俯瞰してそんなことを考えてしまいました。
今回はこれにて終了いたします。
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では失礼いたします。
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