さて、今年も極真空手の世界大会が開催されます。
毎年、世界大会は新極真会も極真会館(松井派)も東京体育館で開催されていましたが、来年のオリンピックに向けて大型な増改築をおこなっているがゆえに、ここでの開催は無理になってしまったようですね。
両派とも、武蔵野の森スポーツプラザで行われるようです。
新極真会は9~10日に、極真会館(松井派)は22~24日に行われるようです。
これまで、新極真会は2日間の開催で、極真会館(松井派)は3日間の開催でした。
しかし、今年、前者は男子の出場選手が161人、後者は166人となりました。
新極真会の場合は、やはり加入国が増えてしかも入門者も同時に増えているがゆえに、世界大会にエントリーする人も毎回増えていますね。
しかし、アウト(=脱落者、脱退者)が多いがゆえに、毎回エントリーしていく人が減っているのでしょうか?
そこの事情はよく分からないですが、こんなに出場者が拮抗しているのなら、後者も2日間での開催にしたほうが良いと思われてならないですね(笑)。
両派とも、日本人が優勝できるかが焦点になっていますが、前者は、2年前に行われた世界ウェイト制大会において、7階級で日本人が優勝できたことですし、それに全日本大会に海外の最有力候補の選手がエントリーしたもののベスト8入りで終わってしまいました。
しかし、このことだけでは予断を許さないでしょう。
これまで、新極真会の世界大会において外国人選手が2たび決勝に進出しましたからね。
これを心赴くまでじっくりと見守っていきたいと思います。
しかし後者の場合は、かなり危険要素があることは間違いないですね。
3回連続して外国人の世界大会優勝者が出ているということもさることながら、昨年の全日本大会において、日本人選手が4人しかベスト8入りしなかったということも同様に、今年の全日本ウェイト制大会においても重量級ではベスト4が全員外国人選手だという。
それでも、こういった危機的な状況の中で、起死回生の日本人の活躍で王座奪取できたという歴史もあることですので、この大会においても日本人の活躍を期待していきたいと思います。
しかし、また新たなる脅威が生まれました。
今年のオールアメリカン大会において、フランス人選手であるアントニオ.セトゥが優勝しました。
(左がアントニオ)
彼は2度目の優勝になります。
しかし、これだけの昨今のロシアン旋風の吹き荒れる中で、無警戒であった国であるフランスからまた未知の可能性にあふれた選手が出現したのは驚きでもあり、また興味深いことでもありますね。
こんな感慨を抱いたのは、4年前の世界大会でも同様でした。
まったくノーマークであったフランス人選手であったジマ.ベルコジャがあれよこれよという間に、ロシア人や日本人選手を打ち破り決勝に上がり、見事準優勝になったのですから興味深くなりました。
どうしてこんなことが可能になったのか、という思いにならざるを得なかったのですね。
彼の故国フランスでの練習風景がテレビで流されていましたが、やはり王道の練習方法をしていたのがわかりました。
「ハイパワー寄りのミドルパワー」の養成をしていたのですね。
空手は、一発一発の攻撃力を高めるのと同時に、3分2分2分の中で継続して攻撃力をつける訓練をしなくてはならない、ということですね。
そのためには、攻撃を繰り出す方向とは反対のほうから抗すように攻撃を出す訓練をする必要があるということですね。
これではわかりにくいでしょうが、要するにダンベルをもってシャドーをおこなう。
アンクルウェイトを脚につけてシャドーをおこなう。
そしてジマのようにチューブを壁に固定しながら、それを正反対の方向へ引っ張りながらサンドバッグトレーニングをする、ということですね。
このトレーニングをすることで、空手に必要な筋肉を養成し、スタミナもつけることができるということですね。
ジマ.ベルコジャ(フランス)
※以下、そのパワーの育成例をご覧ください。
世界大会で活躍してきた人たちの例です。
↓
http://karatemen.grupo.jp/free2566937
空手は、テクニックなんだ、コンビネーションなんだ、という誤った認識でいると、こういうトレーニングをすることの重要性を認識することはできませんし、ましてや強さを身に着けることもできないまま終わってしまいます。
ある強豪が某国、あるいは某支部に現れたとする。
そして自分もその人と同じように強くなりたいと思い、その国なり支部に移籍する。
そして、その支部で行われていることは自分の支部でされていたこととは違うことを発見する。
この稽古が王道なんだと思い、そこの道場稽古にだけいそしむ、というのでは強くはなれません。
その強豪にしていたメニュー、そしてその重要性、その賭ける時間、その精神の内容までも理解して取り組まないことには万全の強さを得ることはかないません。
やはり、アントニオは、ジマのトレーニング内容までもきっちり把握して日々稽古に、トレーニングに励んだのでしょう。
ゆえに、ロシアはじめ世界の強豪が出場したオールアメリカンで優勝したのでしょう。
決勝で当たったアショット.ザリアン(ロシア)は前回の世界大会でベスト8入りした選手で、その選手を破ったのですから天晴でしょう。
左がアショット.ザリアン
オールアメリカンは、これまでの世界大会で優勝したエウェルトン.テイシェイラ(ブラジル)やザハリ.ダミヤノフ(ブルガリア)が優勝し、それをステップにして世界大会でも優勝した、要するに登竜門的なニュアンスを持つ大会でもあります。
それに優勝したのですから今大会で、アントニオ.セトゥの活躍は大いに注目すべきでしょう。
今回はこれにて終了いたします。
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ではこれにて失礼いたします。
ありがとうございました。