みなさん、こんにちは。
前回まで、城南支部の稽古方法について講義してきましたが、今回はその話しはちょっと置いておきまして、今回は、去年の11月におこなわれました極真会館松井派の全日本大会について話していきたいと思います。
この大会で優勝したのは、茨城県常総支部の安島喬平選手でした。
安島喬平選手
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この試合を閲覧して思ったのは、安島選手は若いにもかかわらず、非常に精神的にタフであるなと思いました。
24歳で身長171センチで体重86キロの安島選手は、今年のウエイト制の軽重量級で3位の実績で参戦しました。
この実績だけを見たらだれでも安島選手が優勝するとは思ってもみなかったでしょう。
しかし、そういったことは考えず、安島選手は着実に勝ち上がっていきました。
●中でも注目したのは、準決勝において今年のウェイト制の重量級で準優勝したキリルコチュネフ選手に試し割り判定で勝利し、続く決勝戦では昨年の全日本大会で優勝したアレハンドロナバロ選手に延長戦で見事打ち勝ったことです。
対戦相手の実績のほうが断然実績で勝るのに、それをモノともせずに勝ったのですから見事!としか言いようがありません。
中でも注目したのは、準決勝戦で相手のコチュネフ選手に一歩も下がらずに延長2回もの激戦を戦い抜いたのですから天晴でした。
延長1回の判定の時に、相手のコチュネフ選手に2本の旗が上がり、辛くも引き分けになりました。
この判定を聞いて、安島選手はものすごいプレッシャーがかかったに違いありません。
私が準決勝で、体力的にも疲労困憊して、しかも外国人が相手以外にももう一人が勝ち上がっている状態のさなかに放り込まれては、おそらく気持ち的に試合を投げ出してしまったかもしれません。
しかし、安島選手は違いました。
そういった状況でも、持ち前の強烈なパンチを果敢に出していって、見事に打ち勝ったのですから感動しました。
コチュネフ選手は、非常に剛腕で、テレビで見た目にはそれほど強烈には見えませんが、突きは実際は非常に強烈で、準々決勝で相手の鎌田選手をまったく寄せ付けずにパンチで判定勝ちしていき、この準決勝でも相手の安島選手の道着が血で赤く染まっていましたから、その強力さがわかります。
私が一番感心したのは、
「実績で断然勝る相手にそれを考えずに勝ちにいき、実際に勝った」
ということですね。
情報が多く飛び交う中では、どうしてもそういったことを考慮しがちで、そういった情報によって動きや自分の技の威力を委縮させてしまったがために実際に負けてしまうパターン少なからずありますが、そういったことを考えずに見事勝っていった、というところがすごいなと思わざるを得ませんでした。
みなさんも、こういった安島選手の精神を心に留めておいても損はないでしょう。
いや、大いに見習うべきでしょう。
実績で自分より勝る相手に、果敢に攻めていき見事勝利する。
これは非常に精神的にもタフになる必要性がある、ということもそうですし、実際、自分の実績が不本意で終わったとしても、腐らずに修練を重ねる、すると体のバイオリズムが何倍も働き、自分の本領以上の力を出すことができるのです!
これは、自分の不本意の実績で終わってしまったパターンも、実績を上げることができていなかったパターンでも同様です。
自分の不本意の戦績で終わった…だから頑張っても次の試合は、だめなんだと自分に対して思ったら、
「誰がそんなこと決めたの?」
と自分に言ってあげましょう。
夏のウェイト制から半年未満で,軽重量級3位が無差別の全日本で優勝するパターンを安島選手が体現してくれたのですから、自分のこれからの稽古に大いに励みになるはずです。
●ただ、安島選手の持ち前のパンチの威力はよかったですし、自分よりリーチのある選手との間合いのはかり方もうまかったですが、世界大会を見据えると、もっと遠い間合いから、長いリーチを生かして前蹴りをかましてくる選手は大勢いますから、こういった選手に対抗するためには、10年前の世界大会で優勝した木山仁支部長のように自分も遠い間合いからだせる相手が警戒するいろんなパターンの上段蹴りをつかえるようにならなくてはいけませんね。
木山仁師範
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こういったことが安島選手の課題になるでしょう。
●昨年の全日本大会にはロシア人が3人、スペイン人が1人が入賞しました。
しかし、全日本大会にもかかわらずにベスト8中外国勢が4人も占めるとは…と思わざるを得ませんでした。
20年前はこんなこと予想だにしませんでした。
今年の世界ウェイト制では3階級で日本人が優勝しましたが、全く油断できません。
帯を引き締めて稽古を重ねて行っていただきたいです。
それ以上に驚きだったのは、ロシア人の精神的なタフさですね。
準々決勝でキリルコチュネフ選手は、相手の鎌田選手の下段蹴りに効かされ、それが観ている人にもわかりましたし、実際効いて転倒される場面があり、「これは鎌田の勝ちだ!」と思われたにもかかわらず、我慢に我慢を重ね、前に出でて前に出て鉤突きや肩を狙う突きを連打していくうちに鎌田選手が効いてしまい、延長戦でついにコチュネフ選手が勝利しました。
こういった精神的なタフさが最近の日本人にはあまり見ることが出来なくなってしまったと感じるのは私だけでしょうか?
安島選手は、辛うじて2人のロシア選手に勝利することができましたが、次回も勝てるとは保証できません。
その2人のロシア選手はまだ若いですし、これからの成長株ですからまったく油断できません。
ロシア人は1度負けてもくさらずに修練を重ねて、もっと強くなる性質が他の外国人よりも高いのです。
頑張れ日本人選手!
とエールを送りたいです。
●当ブログおすすめの空手情報商材は以下です。
着実に強くなるためには、ただ闇雲に練習していくだけでは強くなれませんし、無駄な時間を過ごすことになります。
きちんとした情報が必要なのです。
その情報とは何か?
読んでいただくことをお勧めします!
数見肇館長(極真会館松井派の全日本大会で5度優勝)の賞賛のコメントも収録です。
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http://karate-rush.info/index.html
ここまでのあなたのご精読に感謝いたします。
今回はこれにて終了します。