こんにちは。
このブログにきていただきありがとうございます。
今回は、昨年の松井派の世界大会で優勝したザハリダミヤノフについて書きたいと思います。
ザハリダミヤノフ選手
2年前の全日本大会で、日本の高橋佑汰に全くいいところなく、相手のペースに持ち込まれて完敗してしまいました。
それでザハリ選手はベスト16どまり。
これでは、次の年の世界大会でも彼をマークしていた選手はおそらくいなかったでしょう。
これまで世界大会で優勝する選手は、たいてい前年の全日本大会で優勝した選手か、その他、自国の大会や地域の大会(全ヨーロッパ大会など)で優勝した選手でしたし、全日本大会でベスト16どまりで終わった人が優勝したパターンなどありませんでした。
しかし、それでもザハリ選手はくさらずに修練を続け、大会にエントリーし、見事優勝するのです。
クレバーだなと思ったのは、勝つための戦略が完璧であったということですね。
相手が前に出てくる際に、前足である左で相手の内股をノーモーションでカウンター気味に蹴り、ひるんだところを右の足で蹴り、間合いができたところを左の上段蹴りをかまし、すかさずパンチからローと、全く相手に自分の組み手をさせないでいたところがすごいなと言わざるを得なかったです。
こういった相手が出てくるところへ、カウンター気味に下段をけって動きを止め、そこで攻撃をまとめて自分のペースを握る、ということは誰もしてなかったがために、攻略のしようがなかったのです。
この戦略によって、日本の森善十朗やロシアのイヴァンメゼンツェフ、同じくロシアのダルメンサドボカソフが完壁に負けたのです。
この世界大会の前年の全日本大会で優勝したダルメンに、準決勝で一本勝ちしたのは見事でした。
この試合では最初からザハリ選手のペースで試合が運んで行ったのです。
それで下半身が効いたところで、ノーガードになっていた上段に蹴りがさく裂して見事一本勝ちをしました。
このようなカウンターの上手い人の間合いに入って試合をうまく運ぶには、どうすればいいか?
これは、前蹴りがうまい人の攻略法と一緒です。
貴方が左足前の構えの人ならば、まず相手の間合いに入る前に、左足でちょこんと相手の内股を蹴るのです。
そうすれば相手は蹴りを出せませんよね?
そこですかさず、次の攻撃に続けるのです。
そうすれば相手のカウンターをもらわずに済むのです。
これは前蹴りの上手い人であろうと、下段の上手い人であろうと一緒です。
ですからザハリ選手に負けてしまった選手は、無防備に間合いに入るのではなく、ちょこっと蹴りを出してから、次の攻撃に続けるということをすればよかったのですが、そういう人がそれまでの試合までにいないと、いきなり脳の機転が回らず、カウンターをもらっているにも関わらず、無防備に入ってはカウンターをもらい、無防備に入ってはカウンターをもらい、を繰り返し、気が付いたら負けていた、ということになってしまうのです。 こういうことってよくあるのです。
そうならないためには、やはりスパーリングを多くこなして、すかさず機転を利かせるようになればいいのです。
まさか、前年ベスト16のザハリがここまでやるとは思わなかったでしょう。
ですが、ザハリ選手がしたカウンター作戦ですが、これは何もその戦略がよかっただけでは勝てるわけではありません。
そのカウンター以外の、技全般の威力、スタミナ、体力、撃たれ強さがあったからこそ、ザハリ選手は優勝できたのです。
また誰も無関心であった試合方法であったことも見逃せません。
これまでこのような試合の仕方をしていなかったのですが、やはり稽古をしていくうちに、あのようなカウンターをすることで誰も自分の組み手ができない、ということを発見できたのでしょう。
それが、発見できたことも彼がトーナメント戦を勝ち抜くことができたことの要因になったのでしょう。
しかし、このような勝ちパターンが流布されれば、当然その攻略方法については研究されるのが常です。
先に書きましたように、内股を蹴ってから次の攻撃につなげれば、容易にザハリ選手は次から勝てなくなるでしょう。
30年近く前に、スイスのアンディフグ選手が、かかと落としという技を発明し、当時この攻略方法が全くなく、日本選手団を恐怖のどん底に突き落としたのですが、攻略法はのちに発明され、アンディ選手は容易に自分の間合いを作れなくなり、極端に技ありや一本勝ちが少なくなっていったのです。
アンディフグのかかと落とし
このような運命をたどることは間違いないでしょう。
しかし、かかと落としは上段の技であるがゆえに、容易に一本勝ちはできなくなったとはいえ、間合い取るのに有効な技であることは間違いないことは付言しておきます。
ではどうすれば、ザハリ選手のカウンター攻撃やアンディのかかと落としなどを閃くことができるのか?
それは次回に書いていきましょう。
ここまで読んでいただき感謝します。
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今回はこれにて失礼いたします。