10月31日と11月1日において、新極真会の『第11回世界大会』がおこなわれました。
結果は、日本人の島本雄二が優勝しました。
島本雄二
昨年の全日本大会の優勝者として、日本のエースとして参戦しましたが、私が行った最終日の緒戦から、全く気負いはなく、決勝以外はすべて本戦決着をつけての勝利でした。
この人を初めて知ったのは、第10回世界大会の事でした。
この大会の最終日の緒戦が、当時の(今回もでしたが)「外国人優勝の最有力候補」であったヴァレリーディミトロフとの対戦でしたが、島本選手は全く臆することなく、敢然とヴァレリーに打ち合っていきました。
ヴァレリーディミトロフ
当時の現重量級チャンピオンという実績はあるものの、他の実績では完全にヴァレリーのほうが上でしたので、当然ヴァレリーが勝つと誰もが思っていたでしょうが、そんな下馬評に反発する如く、島本選手は、右下段を中心に渾身の蹴りを何発も入れていきました。
そんな島本選手に対し、ヴァレリー選手は、接近戦に持ち込んで、得意の下突きを何発も見舞い、倒そうとしていましたが、島本選手は効いた様子はなく、五分五分のまま本戦が終わった時は、私は「このままいけるんではないか?」などど思いました。
これまでいろんな大会で、下突きでKOを量産してきたヴァレリー選手だけに、本戦でなんとか持ちこたえても、延長や再延長になっては島本選手もさすがに腹が効いてくるんではないか?
島本雄二 対 ヴァレリー(第10回世界大会)
と不安でなりませんでしたが、延長再延長ときても全く五分のまま試合終了。
体重差はなく、試し割り判定で島本選手が勝利した時の喜びようはありませんでした。
「試合で勝つためには○と△があればいい!」
「相手も同じ人間なんだ!」
というシンプルでかつ、いい意味での楽観主義でいることが、強くなるための最大の秘訣なんですね。
ヴァレリー選手の技は全般的にどれも強い。
しかし、その攻撃力に対して、自分も相応の強さがあればいい。
打ち合うのは世界を代表する強豪だ!
しかし、同じ人間なんだからあちらも打ち合いはきついはずだ。
こんな考えですね。
それを間違った方向で、いろんな情報を集めてあれでもないこれでもないと右往左往しているといつまでたっても強くはなれないんですね。
しかし、外国人最右翼と打ち合った後からなのか、島本選手は次の対村山勉選手と対戦して本戦であっけなく敗れてしまいました。
その時の失敗もふまえて、スタミナの強化もしてきたのもうかがえました。
初めて島本選手がトーナメントを駆け巡るのをみましたが、やはり印象として強く残るのは、
「離れて強し、接近して強し」
ということですね。
身長177センチと、世界大会では大きくない方ですが、それでも世界の強豪を相手に、どんな距離でも、的確に鋭く技を繰り出し、確実にダメージを蓄積させて勝っていったところはまさに「さすが、全日本エース!」と言わざるを得ませんでした。
三日月蹴りのような派手な技はないし,いやそれどころか上段の技もそんなにないところをみると、「この先世界大会のトーナメントを勝ち抜くのは難しんじゃないか?」と危惧してしまいましたが、それでも普段の稽古の重然たる積み重ねで、地力が養われて危なげなく勝つことができました。
上段のある選手はやはり下段を蹴られない傾向がありますね。
逆に言えば、上段がない選手は下段を蹴られやすいんですね。
その定石通り、島本選手はトーナメントを上がるごとに下段を多く蹴られることになります。
対外国人との対戦で下段を島本選手が貰うごとに、私の心は折れました。
「日本のエースにダメージが蓄積されていく!」と。
ですが、やはり打たれ強くなる稽古も充分にしてきたのでしょう。
ダメージらしいダメージは見た感じではないように思いました。
それに、島本選手は広島の支部出身です。
東京や千葉などの首都圏の選手が全日本等で優勝者を多数出している中で、全くと言っていいほどのノーマークの支部からの参戦で全日本で優勝。
そして、世界大会でも優勝したのですから、やはり先に書いたような「楽観主義」が島本選手の心を支配しているのでしょう。
空手に限らず、どんな分野でもこういった楽観主義をもつことによって向上することができるのです。
そのことを忘れないようにしましょう。
どうしたらそのような楽観主義になれるのか?
これはメンタルな問題ですね。
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次回も、第11回世界大会について書いていきます。
今回はこれにて終了します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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