さて今回は、前回の続きをしていこうと思います。
試合に勝てるようにするためには、基本稽古のみならず試合用のトレーニングもしなくてはいけないのはいうまでもありません。
城南支部の選手が90年代半ばから急激に活躍するようになり、そうなっては当然、城南支部では試合用のトレーニングを初心者の段階からガンガンやっているんだろう、と思いきやそうではなく、初心者や中級者はそういったトレーニングには「参加出来ない」ということを知って驚きました。
●試合向けのトレーニングをほとんどせず、いきなり試合に出ては当然負けます。
そこで、どうして自分は負けたのか?
どういうトレーニングが出来ていなかったから負けたのか?
そういった分析を自分でするなり、観ていた人に訊いて、そこを是正する、あるいは足りなかったことを自主トレでこなす、そういったことの積み重ねで人は強くなる、そういうことを廣重毅支部長はいいたかったのでしょう。
まず、 「基本稽古だけでは強くなれない。」
このことを体感を通して認識してもらう。
そして、どういった稽古をすればいいかを先輩や指導員に訊いて自主トレの時間を利用してトレーニングをおこなう。
試合用のオーソドックスな構えからの突きからして、基本稽古の正拳中段突きのやり方と違いますから、その稽古とは別個にトレーニングしなくてはいけないのです。
その試合用の突きが出来ても、単発では勝てませんから、連打の仕方も自主トレを通して練習します。
そして、さらに、蹴りも交えた攻撃の連打もしなくてはいけません。
それだけでは組み手で上手くはいきません。
そこで、合同稽古の時にスパーリングをおこなって、これまでの自主トレの成果が出るかどうか試してみる。
上手くいかない…。
白帯や青帯くらいなら後退させることは出来るが、茶帯や黒帯の相手とやると、どうしても受けられてしまうし、カウンターを合わされてしまう。
そこで、どうすればいいかを自主トレの時間に先輩や指導員に訊く。
それはスピードが足りないからということを知る。
そこで、今までよりも速く出すように心掛けてミットトレーニングをおこなう。
そして、その成果を試すように合同稽古のスパーリング時に試してみる。
確かに上手くいく場合もあるが、いかない場合もある。
さらに自主トレ時間にスピードを意識したトレーニングをする。
またも上手くいかない…。
頑張るが、また上手くいかない…。
また頑張るが、また上手くいかない…。
そこで、たまりかねて指導員の人に、どうすればいいかを訊く。
そこで、その指導員が、「速い上段蹴りを出してみればどうか?」と言う。
「そうか!」と合点がいき、スパーリングで試してみる。
すると相手が、自分の上段蹴りに反応して上にガードをする、するとボディの部分が開いて隙が出来る。
そこを狙ってパンチの連打を放ったら、茶帯黒帯の相手も後退するようになった。
そこで、慢心せずに稽古に励み出席する。
すると、攻撃にのみならず、受けの重要性が体感する。
必死にスパーリングをしている時は、興奮していて無我夢中でどういった時に、もらってしまうかわからない。
そこで、どういう場面で自分はもらいやすいのかを指摘してもらう。
のみならず、どういった受けの練習をしたらいいか等をその時に訊く、そしてそのアドバイスを真摯に受け止めて、蹴りや突きの受けの練習を道場が閉まる寸前まで必死にこなす。
そうやって長い時間をかけてはじめて、空手はものに出来る、というのが廣重師範のモラルになっているようです。
●本当に必要な基本しか教えずに、あとは、
「自分で考え、自分で訊いて、研究して修錬を積め!」
ということです。
大事なのは、【教えないこと】であるそうです。
教えないで自主性に任せてとことんまで研究して強くなった(=試合に勝てる)人間にだけ、試合用のトレーニング(=朝練)に参加させる、ということです。
非常に意外だったのは、基本稽古だけを教えて、試合用のジャブやワンツーですらも合同稽古でおこなわれていなかったのですし、受けの練習もほとんどせずにスパーリングにはいるのですから、私は非常に驚きました。
今回はこれくらいにして、また次回に譲りましょう。
ここまでのご精読ありがとうございました。
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