さて前回は、城南支部が94年の全日本大会において4人のベスト8入りを果たしたのみならず、次の年の、松井派の世界大会で城南支部の八巻建志が優勝、支部長協議会派の世界大会でも城南支部の塚本徳臣が優勝し、それに興味をもったので、城南支部の稽古はどうなっているんであろうと興味をもち、城南支部に出稽古にいって愕然としたという話しをしました。
八巻建志
これだけ、試合に強いのだから、始めから、 「シャドウ、ミット、受け返し、スパーリング、打ち合い、蹴り合い」こういった試合向けの稽古を初心者からガンガンやってるんだろうと思いきやさにあらず、 どの合同稽古でも基本稽古から始まり、移動稽古、型が時間のほとんどを占め、スパーリングではものの5分しかしていない;のを知って私は驚きました。
確かに、試合の前期間には合同稽古が終わった後に、自主トレ時間に志望者を集めてビッグミットトレーニングを20分くらいと、軽いスパーリングを10分くらいはしていました。
しかし、それだけで本当に強くなれるのか?
誰もがこういった疑問が湧くと思います。
また、極真空手の雑誌でも、当然、城南支部の名物「朝練」が取り上げられ、リポートが紹介されていましたが、そこでは、八巻建志、数見肇、高久昌義、竹石修、塚本徳臣など一級線で活躍している黒帯の選手が参加していました。
そこでは、腹筋から始まり、背筋、ビッグミット打ち、コンビネーションの打ちこみ、コンビネーション、ガンダム、スパーリング、腹の叩きあい、足の蹴り合い、ジャンピングスクワット
こういった文字通り、試合向けのトレーニングがなされていました。
しかし、一般の稽古生には基本、移動、型の稽古しかさせない。
そこではスパーリングはほんのちょっとしかさせない。
ここで頭をよぎるのは…
・自分はどのようなスタイルで戦えば勝てるのか。
・どのような練習をすれば勝てるようになるのか。
こういったことを合同稽古のわずか5分くらいのスパーリングでわかれ!というのは非常に酷な話しであるということです(笑)。
試合では、立ち方が稽古での三戦立ちとは違うし、蹴りにしろ、突きにしろ、基本稽古での出し方とは全くちがうから、オーソドックスな試合での構えから出す技を別個で研究し練習もしなくてはいけないのがわかる。
試合での構えから、技を出しながら、相手の技を躱すなり受ける練習もしなくては勝てる方法を習得することは出来ない。
それなのに、基本、移動、型の稽古だけ施して、試合に勝てるようになった人間にだけ、「朝練」に参加できるというのはかなりきついことではないだろうか。
ならば、一般の人たちにも、「朝練」のようなメニューをやらせるべきではないのか?
そう思い、古参の黒帯の方に訊いてみました。
するとそのかたは、
「廣重師範のこだわりがあって、それはさせない。基本や移動ができていない人間にそういったことを施しては、変な癖がついて真の空手の技を体得できなくなってしまうから」
ということでした。
それでは本当に強くなるための道があまりにも狭すぎないだろうか?
こういった疑問がわくと思います。
そのことについて、知り合いの他流派の空手の黒帯の人や、プロボクサーの人に話してみました。
すると、やはり
「それでは、強い人間とそうでない人間との差が開きっぱなしになってしまう」
「重量級の人間しか城南支部では這い上がっていくことはできない」
「勘のいい奴しか強くなれず、民主主義ではない」
と私とほぼ同感の意見が出ました。
しかし、城南支部では、こういった基本、移動、型を徹底させて、他のことは自主的な個人の動機に任せて、それで試合に勝てていった人間だけに試合メニューを施していく…というのが基本的なスタンスであるようです。
非常に驚きでした。
次回はその続きについて話していきたいと思います。
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では今回はこれにて終了いたします。