こんにちは。
今年は、極真空手において世界大会が行われる年ですが、その関連の話しをしたいです。
世界大会においては、どうしても空手母国としてのナショナリズムが沸騰して、「日本人が優勝しなければ!」という雰囲気が自然と沸き上がりますが、それは極真の創始者である大山総裁が、第一回世界大会を開始するときに日本選手団に発破をかけたのが始まりです。
大山総裁
今から50年以上も前に言われたことがいまだ効力を持っているのですから、大山総裁はかなりカリスマ性を持っているのがわかります。
寸止めの空手では、もう50年以上も前に外国人が優勝しているのですが、フルコンタクト空手ではいつか? という問いがわきます。
1999年の松井派でのフランシスコ.フィリォの時…実際は違います。
今からちょうど30年前の、正道会館主催の空手ワールドカップにおいてですね。
日本人と外国人が入り乱れてのトーナメント戦が行われて、正道会館の金泰泳とアンディ.フグ(スイス)が対戦し、見事アンディが勝ち、フルコンタクト空手の国際大会で初めて外国人として優勝するのです。
アンディ.フグ
この時の記事を雑誌で読んで私は、「正道会館ではこうなったけど、極真なら大丈夫だろう!」と思ったのですが、それから6年後の極真会館(松井派)の世界大会においてフランシスコ.フィリォが優勝するのです。
あの時の屈辱感は忘れません。 日本のエースである数見肇が緒戦からもう稽古による怪我を負っていて出場したのは明らかで、それにもかかわらず世界の強豪を降して決勝に勝ち上がってきたにもかかわらず、決勝では相手が強すぎた感があったのは間違いなく、壁に挟まれて試し割り判定で敗北を喫してしまいました。
その次の世界大会において、数見氏は自流派を開くために極真を離れてしまったがために、日本のエースは木山仁に代わり、この木山氏が見事優勝することができたのです。
しかし、その後の松井派では日本人が優勝することなく、外国人が優勝すること3回。
そして、4年前の世界大会では、日本のエースである上田幹夫が優勝することで、実に16年ぶりに王座を奪還しました。
この間に、日本人の入賞者は1人とか2人でしたが、この時は一挙に4人に上がりました。
それは、海外選手が、あの大幅なルール改定について対処ができていなかったことが大きな原因と思われてならないですね。
自分が前進してくるところをうまく足掛けで転ばされて、相手が残心をすれば技あり。
自分が後ろ回し蹴りを放ったときに相手が前蹴りを放って転ばされて、相手が残心を取れば技あり。
相手が上段回し蹴りを放ち、それが自分の顔面に掠っただけでも、残心を取れば技あり。
といったことにあまり対策をしていなかったのが外国人があまり入賞できなかった理由でしょう。
こんなルールはフルコンタクト空手とは言えない、というのが私のモラルですね…(笑)。
第一回世界大会において、当時の外国では空手は腰より上を蹴るものという認識であったために、脛受けをまともにできない外国人が多くいたようです。
しかし、日本では下段蹴りは当然のように誰もが蹴っていたのです。
ゆえに当時の日本人の必殺技は下段蹴りだったのです。
それで日本人による外国人からの下段による技ありや一本は多くあったようです。
しかし、対策が取られればそれが通用することがなくなるのは世の常です。
下段が必殺技にはなりえなくなったのです。
下段だけでは勝てなくなり、総合的な視点が必須になったのです。
日本人だけが得意としていた下段蹴りにおいても、日本人よりもその威力を上回り、しかも踵落としという未知の必殺技を編み出し、日本人を恐怖に落とし入れたのがほかならぬアンディ.フグでした。
彼が極真の第4回世界大会において出場し、見事準優勝になったのです。
その後、極真を離れ正道会館に移籍し、93年のワールドカップで優勝するのです。
その優勝から、今年でちょうど30年。
これまで外国人に追随を許さず、日本人が必ず優勝してきた新極真会ですが、ちょうどの節目にどのようなことが起きるか、真摯に見守っていきたいと思います。
※以下、参照してほしい記事は以下です。
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記事一覧
※参考ページ
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