こんにちは。
前々回において、新極真会の全日本大会において新旧入り混じった入賞者になり、非常に望ましい顔ぶれになったことを書きました。
やはり、極真空手を長年してきた人間にとって、世界大会になると必然的に日本人が優勝することに主眼を置いて観戦してしまうのですね。
それは思想的に大山総裁の価値観が自然と乗り移ってしまった観があります。
日本のお家芸であるから日本人が優勝しなければならない。
当初は受け入れられましたが、深く考えると変な意見といわれても致し方ない、という意見も当然と思えるようになりました。
お家芸というならば、柔道は50年以上も前に日本人以外の外国人が優勝していますし、サッカーの本国であるブラジルだって他の国が優勝しているし、タイが本場のムエタイだってタイ人以外が優勝している。
それなのに空手だけなぜ、日本人が優勝することにこだわるのかわからない、そんな意見が出るのも自然でしょう。
40年近く前に、ヨーロッパ最強の極真空手家といわれたミッシェル.ウェーデルも盟友の増田章に、「極真空手は好きだ。だけど日本人が優勝しなければいけないという風潮には賛成できない!」と漏らしたことが、増田章氏の本である『我、武人として生きる』に暴露されています。
増田章吾、武人として生きる /東邦出版/増田章 | ||||
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そういう日本人が優勝しなければいけないという無言の雰囲気は大山総裁によって作り出されたものであっても、それがどのような弊害があるのか、といったことを研究した結果、それが是正されなければならない、という思いになったのであれば、私はこの場で書かないといけないでしょう。
しかし、そういう風潮によって日本人選手の底上げがなされるというメリットを生み出しているのであれば、今は不問にしていていいのではないでしょうか?
日本人が優勝しなければならない、という無言の圧力で外国人選手に不利な判定がなされているということが皆無とは言えないですが、私の記憶では3つくらいしかないです。
世界大会において、逆ホームタウンデシジョンという場面もあったことはここに銘記しないといけないでしょう。
左端がミッシェル.ウェーデル
世界大会において、本戦、延長、再延長で引き分けだった場合、体重判定、それでも決着がつかなかった場合、試し割り判定で決める、というルールです。
これは過去も今も変わらぬルールです。
第4回世界大会において、大山総裁は逆ホームタウンデシジョンをおこなったのです。
大山倍達総裁
4回戦において、再延長が終わって体重判定に進み、日本人のほうが体重が10キロ以上軽かった。
それにも関わらず、日本人の勝ちにはさせないで、試し割りで日本人の枚数が少ないからという理由で、3度目の延長に突入させたのです。
そこで日本人は力尽きて、相手の外国人が勝ってしまったのです。
こういうことが、いくつかありました。
その逆ホームタウンデシジョンによって勝ち上がったのが、有名なマイケル.トンプソン(イギリス)だったのです。
マイケル.トンプソンが準決勝で松井章圭氏と戦い、延長2回にまでもつれ込み引き分けでした。
松井章圭 VS マイケル.トンプソン
体重で差がなく、試し割り枚数ではトンプソン氏が優位。
しかし、日本人は松井氏1人しか勝ち残っていない。
これでは日本人が優勝できないからということでしょう、大山総裁の裁定で、再度の延長にもつれさせたのです。
しかし、勝負はつかず延長は最終的には5回目に。 そこで起死回生の上段蹴りで一本を奪い、松井氏は勝利したのです。
その時は、場内総立ちになり、今も感動を覚える場面ですし、興味ある人は当時のビデオを確認するといいでしょう。
その後、松井氏は決勝でアンディ.フグを破り、見事優勝するのでした。
しかし、準決勝は明らかにホームタウンデシジョン。
しかし、トンプソンも逆ホームタウンデシジョンで勝ち上がってきたのだから、お相子だろうという意見も出そうですが、評価は難しいところです。
やはりホームタウンデシジョンにしろ、逆ホームタウンデシジョンにしろ、良い結果をもたらさないことは、これで明らかです。
完全なる客観視などできるものではないですが、判定する審判は完全なる客観視を目指して判定してくださいとしか言いようがないですね。
完璧を目指しながらいつまでたっても誰も完璧にはなれない。
その事が心に染み渡る事項でした。
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今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。
記事一覧
※参考ページ
→サプリ摂取のタイミング表
→格闘家やアスリートの1日に必須の栄養素の量
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