いや、最近はとみに寒くなってきましたね。
そういう時、寒くならないためにはどうしますか?
エアコンを暖房で温める。
それもいいでしょう。
しかし、そういう思考回路しか脳内にないと大変になるのです。
ここで大山総裁の言葉を想起しましょう。
その言葉は92年の初頭に発せられました。
「次の世界大会を制するのは間違いなく旧ソ連。日本は絶対に無理だよ!」
という事でした。
大山総裁
91年の世界大会で、日本人が優勝したのみならず、計6人の日本人が入賞した後のことで、私はあっけにとられたのです。
大山総裁がこのころに旧ソ連にいってその空手家たちの急成長ぶりに驚いたのでしょうね。
ソ連とは、19世紀に生きたドイツの総合社会科学者であるカール.マルクスの唱えた思想を国家で採用したロシアを中心とした国家連合のことですね。
カール.マルクス
その唱えた内容とは、資本主義においては資本家が人を雇い経営をすると、奴隷のようにこき扱い、低賃金しかもらえくなってしまい、人間的な生活ができなくなってしまう。
しかし、国家が人を雇い管理すればそういうことはなくなり、だれもが裕福な生活を送ることができる、という社会主義思想ですね。
その思想を実際に取り入れた国がロシアであり、そのロシアを中心とした国家連合が、アルメニア、ウクライナ、グルジア、リトアニアなどの計15か国でした。
ソ連以外にもポーランド、ブルガリア、ハンガリー、チェコなどの国も社会主義を採択しました。
またアフリカやアジアの国々でも社会主義を標榜する国がどんどん出てきました。
その数、全世界で200前後の国がありますが、その半分に迫る勢いの数の国が社会主義を採択したのです。
ですから如何にカール.マルクスの思想にカリスマ性があったかがわかります。
その社会主義思想は日本まで波及し、「日本は社会主義国になるべきだ!」といったことを論じた本もいっぱいありました。
しかし、国の定めた働き場でノルマだけこなしていればいいとなると、競争が行われません。
ただ作ればいいのです。
となると、国民に物が不足しているときには売れますが、みんなに物が蔓延するようになると、より良い品をより安く作ろうという競争をしなくては物が売れなくなります。
その論理で、ソ連および社会主義国はどんどん物が売れなくなって経済的に疲弊していきました。
これではだめだ、ということを悟り、どんどん社会主義を捨てていく国が現れました。
その社会主義の崩壊が決定的になったのは91年のクーデターでした。
これでソ連はソ連であることをやめて、どの構成国も独立することになったのです。
最盛期には世界の半分近くが社会主義国だったのが今は4か国だけです。
その4か国も資本主義国のような競争を1部取り入れています。
大山総裁が視察に行ったのは、ロシアを中心とした旧ソ連の国々だったのですね。
この地は、やはり酷寒の地であり、寒いときはマイナス30度にまでなるのです。
そういう時、日本でならエアコンをつければいい、という発想をしがちですが、この地にはそういうものがないのです。
しかも社会主義の経済的失敗の残滓が残り、今でも国全体が豊かであるとは言えません。
こういう国柄では、人は強くなければ生きていけません。
ガラの悪いのは成人のみならず子供でもそうなのです。
いじめなどは日常茶飯事。
いじめに遭わないように親御さんは、子供にサンボやレスリングを習わせるのだそうです。
そういう国だからこそ、タフな人間い育つのは当たり前で、ちょっとのことでは諦めない。
更に生態学的に見て、この地の人たちは骨太で、筋肉の質が強いのだそうです。
こういう人たちを多く見てきた総裁は、日本の大人や子供たちを対比の目で見ていたのですね。
空手に入門しても、ちょっとしたことで辞めてしまう。
毎朝、大学生を見ると遊び呆けている。
体を動かすことを知らず、厚い服に身をまとい、飽きるほどの美食を重ねて体はぶくぶく太っている、まさに暖衣飽食の日本にそっぽを向いていたのですね。
やはりハングリー精神をもっていたほうが人間の精神には健全であるようですね。
豊かすぎるとかえってよくない。
空手も同様です。
ある程度ハングリーな国柄のほうが強い。
残念ながら、その声明を発した3年後に大山総裁はなくなってしまいました。
95年の世界大会時、92年に「次の世界大会を制するのは間違いなく旧ソ連」と大山総裁がおっしゃったロシアやウクライナといった国の選手たちを私は見ていましたが、ちょっと違いました(笑)。
筋肉隆々としてばねはあるし、長いリーチを生かして伸びがあるけれども、いかんせん単発で技が続かない。
しかも粗削りで、正規の技の軌道と違っている。
しかも打たれ強くないし、相手がラッシュしてきたら容易に諦めてしまう。
そういう人が多勢を占めていました。
しかも最終日に残ったのは1名のみで、その選手も3日目の緒戦で判定負け…大山総裁の言った事とはちがうなあ、と思ってしまいました(笑)。
しかし4年後に急展開を見せるのでした。
ロシアのアレキサンダー.ピチュクノフが世界中の強豪を破り3位に入ると、これが発奮材料になり、ロシアの急激なベースアップがなされたのでした。
アレキサンダー.ピチュクノフ
その詳細について書いたぺージは以下です。
↓
http://rattroll.blog110.fc2.com/blog-entry-145.html
2003年の第8回世界大会(松井派)には3名のロシア人の入賞者を出し、2011年の第10回世界大会(松井派)では、ついにロシア人のタリエル.二コラシビリが優勝したのみならず計4人のロシア人が入賞し、旧ソ連のウクライナの選手も入賞し、入賞者が5人旧ソ連人に占められるのでした。
旧ソ連から5人の入賞者を出した第10回世界大会(松井派)
「次の世界大会を制するのは間違いなく旧ソ連。」と大山総裁が仰ってから次の4年後にはならなかったけれども、20年目にしてそれが実現してしまいました。
のみならず次の2015年の世界大会(松井派)でもロシアが4人の入賞者を出すのでした。
まさにロシアン旋風吹きやまず、といった感じでしょう。 その根源はやはりハングリー精神にある気がしてならないですね。
寒ければエアコンという国と、寒ければ体を動かすことで体が暖まるという発想で生きてきた国の民では体のみならず精神の強さが違ってくるのは言うまでもありません。
いじめに遭いそうならそうでない学校に転校させればいい、という国といじめに遭わないように格闘技を習わせればいい、という国の民でも当然体のみならず精神の強さが違ってきます。
愉しい娯楽がいっぱいあるという国と、娯楽などなく格闘技くらいしか親しむものがないという国でも体のみならず精神の強さが違ってきます。
そういった事をこれから親になる人のみならず、そういう事に引っ掛かりを感じている人は、これから行動していってほしいものです。
事、空手においても一番大事なのは精神ということを覚えておいてほしいものですね。
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今回はこれにて終了いたします。
ありがとうございました。