こんにちは。
前回は、現在新極真会代表である緑健児が91年の『第5回世界大会』で優勝する前に、緑代表の生徒である小学生低学年の少年が緑代表が優勝するように願をかけるために1ヶ月半肉を一切食べなかったというエピソードを書きました。
緑健児
そんなふうに思われるような人生を歩めたらこれほどの幸せはありませんね。
ここまで立派な人でなくても、
困っていたらすぐにヘルプしてくれるような部下をもった上役
その人をヘルプするために残業代を惜しまないでヘルプをしてあげたくなる上役
お金に困っていたら2つ返事ですぐに何万円でも貸したくなる人
そんな風な人間になりたいですね。
そうなるためには常日頃から周りの人間を励まし、褒めれる人間でなくてはできない話です。
いつもしかめっ面して、一生懸命頑張ってもそのことについて一切褒めず、へまをした時だけ貶す…そんな人間では人の思いを得ることはかなわず、運も得ることはできませんし、人は去っていきます。
運を得たいなら、人と精神的に爽快感ある人生を送りたいと思っている人は、日々人との関りを一発勝負のつもりで緊張感をもって接していかなくてはいけません。
人間関係においてこのように緑代表は、素晴らしい面が大いにあったのでした。
そして、空手の技術面においても代表に運があったことも見逃せません。
緑代表が得意にしていたのはやはり上段の技でした。
代表は、165センチと小柄でしたから、重量級の選手とわたりあうためには、どうしても上段蹴りは必須でした。
しかしただの上段蹴りではありませんでした。
代表が得意にしていたのは、はじめ相手の肩あたりに蹴りを当てて、そこから円を描くように相手の腕をかいくぐって上段を当てるのを得意技にしていました。
中段の技と違って、上段はもらったら致命的になりますから、相手は必死にガードするわけです。
あるいは、そういう技を持っていると相手がわかれば、相手はその技を警戒して、そんなに代表の間合いに入れなくなるのです。
見合う時間が長くなる、これは小さい相手にとって有利になります。
そんな器用なことを代表は左右両方の足で巧みにできましたから、かなりの練習の鬼であったことがうかがえます。
またそのフェイントの技だけでなく、代表は上段の回し蹴りに見せかけて、中段に叩き込む蹴りを持っていました。
普通の中段蹴りの軌跡と違うのですね。
常々、代表は上段蹴りを蹴っていましたから、相手は警戒して蹴りを出そうとすると、相手は上段をガードし、そこで中段があくことに気づいた。
そこを狙って蹴ったらそれが有効技になったので、この上段に見せかけの中段を得意技にしたということです。
その技で、この第5回世界大会の準々決勝における対七戸康博戦において、フットワークで横に回りながら、すきをついて上段に見せかけの中段を叩き込み、身長で20センチ体重で32キロまさる七戸選手が苦悶の表情を浮かべているのが今もビデオで確認できますし、次の準決勝戦での対黒沢浩樹戦でも、そういう場面が何回もありました。
七戸康博
そして、決勝戦の対増田章選手に対しても、その上段に見せかけの中段はもちろん、フェイントの上段蹴りを試合開始からどんどんぶっぱなします。
もらったら大変ですから、増田選手は必死にガードをします。
それを捌いたらすぐさま、反撃に転じます。
そこでも負けじと代表は打ち合いに応じます。
上段蹴りのみならず接近戦での打ち合いも強いのですね。
そうでなくては、試合をものにすることはできません。
上段蹴りだけで試合に勝てるほど試合は甘くないです。
上段も切れるのみならず、フェイントも本戦から延長戦まで劣らずに出し続ける。
突破口が見えず、増田選手は起死回生の左上段蹴りを放つも、代表は間一髪でかわし空振り。
増田章
一進一退の攻防が続き、決め手のないまま延長2回も終了。
14キロの体重差で緑代表の優勝が決まりました!
ここで確認したいのは、緑代表は運に味方されていた、ということですね。
…???と思われる人がいらっしゃると思いますが、そうなんです。
今、今回紹介した緑代表の得意技が有効か、と言われれば疑問符が付きます。
肩あたりに蹴りをだしてすぐさま弧を描いて上段を狙う技にしろ、上段に見せかけての中段蹴りにしろ、今はそんなに有効性はないでしょう。
何故なら、今はカウンターが当たり前になっていまから、色帯の人でも蹴りに対するカウンターは誰でもできます。
蹴りが来た!と思ったら上段であろうが中段であろうが、はては下段であろうが、ガードをしながらすぐに相手の内股を蹴ってしまえば、致命傷にはなりませんし、逆に出した自分がダメージになってしまうでしょう。
この時以来、空手のテクニックのレベルの向上は著しく、緑代表が優勝した4年後の世界大会において、その後輩の数見肇が、準決勝の対フランシスコフィリォ戦において、フィリォの全技はもちろん、フィリォが前進してくる際にも全部カウンターの下段を出していったがため、フィリォは何もできないまま一進一退の攻防が続き、試し割り判定で数見肇が勝利したのはあまりに有名な話です。
数見肇 対 フランシスコフィリォ
これのみならず、どの試合でもあるいは道場稽古でも、カウンターは当たり前に誰でもこなすようになったのです。
そんな状況下で、緑代表の技が今も有効かと言われれば疑問です。
ではなぜ、当時は有効だったか? と問われれば、当時は、カウンターを使う人がほとんどいなくて、上段蹴りは捌くのが当たり前の時代だったからです。
だから有効な技だったのですね。 カウンターで合わせよう、というのが組織全体の気風になるまで数年かかったのです。 それはどの技でも同じですね。
しかしカウンターが通念化しない前に、緑代表はあの技を得意技にしつつ練習し続け、完全な得意技にしたのです。
その運の良さも見逃せないでしょう。
カウンターで合わせようという思いを持つ人間が、あの世界大会に出場した240名の中で1人もいなかったということですね。
これもまた運の良さでしょう。
でもこれについて反論もあるでしょう。
あの2つの得意技がなくても緑代表は優勝できただろうという。
その通りですね。
あの2つの技のみならず、代表はいろんな多彩な技、しかも超重量級の選手を悶絶さすような強烈な技を持っているのです。
前蹴りを炸裂させて、相手のガードが下がったところで上段蹴りを放って仕留める。
あるいは、オーソドックスな構えから横蹴りを出し、相手が後ずさりしたところで中段突きでラッシュをかける。 このように多彩な技を持っているのです緑代表は。
いずれもが、各自で自主トレしまくらないとできないものばかりです。
それをこなしにこなした。
だから、緑代表はあの通念化の中でも優勝しただろうといわれても、そうでしょうと私は答えます。
しかし、「カウンターが通念化していなかった」という状況下であったからこそさらに代表に有利であったし、運もよかったということが言えるのは間違いありません。
運が代表に向いていた、ということですね。
その運を生かすためには、とにかく練習をしまくる。
自分の体はもちろん、道着やサポーターの類はいつもきれいにしておく。
自分の家や勤務先の部屋やトイレもいつもきれいにしておく。
心に怒りや妬みを抱えない。
人を常に褒め、そして励ます。
オカルトなものにはハマらない。
いつも元気な声で話す。
こういう空手の修練に関係ないこともたくさんこなしていくことが非常に重要であることは、運のいい人を見ればわかるでしょう。
そのことが分かったあなたは修練のみならず、こういったことを日々の生活でずっと続けていきましょう。
参考になれば幸いです。
●今回登場した緑健児も題材に挙げた空手のための情報冊子が以下です!
本当に強くなりたい人のための王道の方法が書いてあります。
そして緑健児の練習メニューもどっさりです。
今年で発売から7年になりますが、いまだ売れています。
興味ある方はどうぞ覗いてくださいませ!
↓
http://karate-rush.info/index.html
今回はこれにて終了します。
ここまで読んでいただき感謝いたします。
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