こんにちは。
前回は、本当に強くなりたかったら行脚をせよ、ということを話しました。
鈴木国博、緑健児、松井章圭といったチャンピオンたちはそういうことをしてきたのですね。
いろんな道場はもちろん、いろんな格闘技のエッセンスを取り入れることによって自己のレベルアップに貢献したのですね。
今回は、その関連で話をしたいです。
上田幹雄
この選手は、去年の世界大会で初出場で20歳ながら6位に入賞しましたね。
この選手も、また行脚していました。
この選手は、横浜北支部出身ですが、東京城西支部や総本部にまで出稽古をしていたということをテレビで放映されたいましたね。
やはり自分が真に強くなっているという実感が得れると、それを試したくなる、さらに向上させたくなる本能が芽生えるのですね。
昔は、いろんな道場にいってその道場の一番強い人間と手合わせをしていく、という所謂「道場破り」などいうものが戦後には多くいたそうですが、その人と同様の心理なのですね、行脚する人の心理というのは。
そういう感情に身を任せて、そういうことをするべきということを私は提唱します。
その上田選手ですが、この人を注目したのは、2年前の全日本大会ですね。
この大会の4回戦で上田選手とあたったのは、ウクライナのオレクサンダーイエロメンコ選手でした。
イエロメンコ選手は、この年から数えて3年前の世界大会で7位に入賞しました。
そして、その年のオールアメリカン大会で優勝、ヨーロッパ軽重量級で優勝した選手でした。
その体格を見る限り、「この体格ならいけるわ!」というような風格を備えていました。
この2人が当たった時の試合を見ると、上田選手は後ずさりすることなく、敢然と自分から攻めていきます。
上田選手の得意とする攻め方は、接近戦の中でパンチから下段、あるいは膝蹴りですね。
180センチの長身の人は、接近戦から下段というパターンは少ないですが、彼はそういうパターンなんですね。
なぜ、そういうパターンになったかというと、スパーリングを重ねることによって、そのパターンが自分にとって一番うまくいくパターンであるということを発見できたからですね。
そして勝ち上がることができた。
それで彼のスタイルになったのでしょう。
空手は、突き蹴りで相手を効かすことです。
それで自信を得れて上田選手は、実績や体格で勝るオレクサンダーイエロメンコ選手に敢然とむかっていき、自分から先手を取っていきます。
最初から、もう上田選手のペースで試合が進み、イエロメンコ選手は終始後手に回り、攻撃らしい攻撃をすることができずにいました。
接近戦からの突き、特に膝蹴りは思いのほか威力があり、蹴りをもらうたびに失速していきました。
接近戦の中で効いてしまい、イエロメンコ選手は、主審に2人を割らせて試合を中断させて、その間に回復させようという本能が働き、もみ合いの中で両腕を開いてクリンチをアピールしていましたが、無残にも主審は「続行!」といい、そのまま回復はできず上田選手の連続攻撃は止まらず、試合は終了し、上田選手の大差判定勝ちが決まりました。
そして、上田選手のベスト8入りが確定し、世界大会の出場が決定しました。
イエロメンコ VS 上田幹雄
その1年後の世界大会でも躍進を遂げて、上田選手は前回の世界大会で8位に入ったイリヤカルペンコ選手(ロシア)と延長2回の末、試し割判定の末に勝ちベスト8入りしました。
この2試合で共通するのは、「実績で勝る相手に敢然と立ち向かい、その末に勝った」ということですね。
年齢を重ねると、情報を集めすぎて、自分の行動をちまちましたものにしやすいのですが、若い時というのは、そういうことをあまりしないがために、それがいい方向にいき、結果的に勝つことができた、ということが言えると思います。
「相手は自分よりも体重が重い。相手の実績は○大会優勝、△大会▲位…。◇が得意…」
こういったことを頭に入れすぎると自分の行動を委縮させてしまうのですね。
そういう情報を集めすぎないのが若さゆえの特権ですね。
しかし、しっかりと自分の攻撃力を誰にも負けないというほど稽古を重ねてきて、それに自信を持って試合に臨んでいったがために、空手が楽しくなり、心が高揚し、動きも素速いものになり、攻撃力が加速していったのですね。
世界大会の実況では、タレントの青野楓さんが、「取材してきて上田選手は空手が大好きという印象を受けました…」といってましたが、そういう状態になった人はやはり大躍進を遂げることができますね。
心が高揚し、力が漲り、手がつけられなくなる。
こういう精神的な状況にさせることが指導員に課された課題だと思います。 青野楓さんもそうですが、綾瀬はるか、吉木りさ、新垣結衣…こういったきれいな人に「落ちましたよ」と言って落とし物を笑顔で渡されたら男なら、だれでも心が高揚し、心ウキウキの状態になるでしょう?(笑)
そういう心の状態になると力漲り、攻撃力も上がり、動きが速くなり、ゆえに相手の攻撃もすぐに躱す、あるいは最小限のダメージで受けれる状態になるのです。
自分の攻撃を出すことが最優先になる…これが大事なのです!
もちろん相手の攻撃を見くびるとか、見下すということではないのはお断りします。
空手の修行の中で、自分が最高にうまくいく方法を見つけることができた上田幹雄選手は幸運だと思います。
この選手のような心が高揚するためにはどうすればいいかということをまとめたのが以下の冊子になります。
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しかし、心が高揚しないとやはりうまくことは運びません。
空手のみならず仕事、人間関係、他の競技やスポーツであってもです。
心が愚鈍愚鈍となった状態では、どんなことでも頑張ってもうまくいくはずはありません。
なぜそうなってしまう人間のパターンを鑑みていきながら、上手くいく人とそうでない人の精神状況の差を次回はつまびらかにして、空手における「運のつけ方」を話していこうと思います。
今回はこれにて失礼いたします。
ここまで読んでいただき感謝します。
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