極真空手ウェイ.ブログ

フルコンタクト空手を通じて人間的に成長したいという人のためのブログです。

試合に勝てるようになるための恰好のプロセスを廣重師範に学ぼう!

極真空手で功績を残してきた廣重毅師範2018年4月18日に亡くなりました。

心より冥福をささげたいと思います。

廣重師範は、これまで城南川崎支部支部長として邁進する中で、緑健児、八巻建志、岩崎達也数見肇、高久昌義、志田清之といった世界大会優勝者、全日本大会優勝者、ウェイト制大会優勝者を生み出すことに成功してきたまさに名伯楽といわれる所以でありました。

95年春の極真大分裂の直後は、当初、支部長協議会派に所属していましたが、その後、愛弟子の八巻建志数見肇の2人が、極真 史上最強の外国人とうたわれたフランシスコ.フィリォが松井章圭を館長とする派での世界大会出場を決めたことで、ここでの出場を希望したことで、松井派と協議会派のどちらにも属さない中立の立場を表明しましたが、その大会で八巻建志優勝数見肇準優勝したことで、その後は松井派への所属を決意しました。

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八巻建志

その後の、世界での地域別対抗戦であるワールドカップでの日本チームの優勝、また、1999年での数見肇の世界大会準優勝など、日本の数々の活躍を陰で支えてきたのは、ひとえに監督を務めてきた廣重師範の役におうところが大きかったのは言うまでもありません。

数見
  数見肇

しかし、2002年松井派の最高顧問であった盧山初雄が、松井章圭氏の1存で除名になり、その弟弟子であった廣重師範も離脱し、盧山師範を館長とした極真館に所属し、廣重師範は副館長に就任しました。

これまで松井派のみならず、極真全史のおいて多大なる貢献をしてきた盧山師範を松井氏はいとも簡単に除名にし、その後、盧山師範と親しかった多くの支部長たちも、松井派から離脱し極真館に移動しました。

このことで、松井氏は、その支部長たちを諫めることは一切せずに傍観していたのみでした。

このような去るものは追わず的な態度には私は呆れるばかりでした。

修練において、強くなるには個人の精神が一番大事なのは言うまでもないことですが、外部から出されるインフォメーションも多大なる貢献をすることは間違いないです。

そのインフォメーションを与えてくれる師範の存在は、ものすごく大事であることは間違いないです。

ましてや数々のチャンピオンを育ててきた名伯楽の存在は欠かせないでしょう。

その名伯楽の廣重師範松井派を離れてしまうのはかなりの痛手であったはずであしたが、松井氏はただ傍観するのみ…全くもって呆れるばかりでした。

その松井派を離れた廣重師範は、極真館において2003年の立ち上げから14年間頑張ってきました。

しかしその愛弟子である、金子雅弘氏が、極真館本部より受けた事実無根な不当な除名処分をはじめ、受入れがたい組織のあり方に、我々の目指す極真空手道の形と現極真館のあり方には埋められない溝がある事が分かり、2017年2月廣重師範極真館から脱退してしまうのです。

そして新組織として極真拳武会を立ち上げるのです。

しかし、2018年4月18日に亡くなるのです。


これまでに積み上げてきた廣重師範の功績には、極真を志す者にはいま改めて噛みしめて学んでほしい内容が多々あるのです。

私の体験談から話しましょう。

94年全日本大会において廣重師範が支部長であった城南川崎支部からは4人の人間がベスト8入りし、来年の世界大会の切符を手に入れたのでした。

その次の年に極真は分裂し、松井章圭を館長とする派と、大山総裁の妻であった大山智弥子氏を館長とする大山派と大きく分裂しました。

その年に2つの派が世界大会を開き、松井派では八巻建志優勝し、数見肇準優勝

そして大山派は塚本徳臣優勝

共に城南支部からの選手が優勝したことで城南支部ががぜん注目を浴びたのは明らかでした。

その強さの秘密を知るべく、私は城南支部に出げいこにいきました。


試合に勝てるようにするためには、基本稽古のみならず試合用のトレーニングもしなくてはいけないのはいうまでもありません。 

城南支部の選手が90年代半ばから急激に活躍するようになり、そうなっては当然、城南支部では試合用のトレーニングを初心者の段階からガンガンやっているんだろう、と思いきやそうではなく、初心者や中級者はそういったトレーニングには「参加出来ない」ということを知って驚きました。

試合向けのトレーニングをほとんどせず、いきなり試合に出ては当然負けます。

そこで、どうして自分は負けたのか?どういうトレーニングが出来ていなかったから負けたのか?

そういった分析を自分でするなり、観ていた人に訊いて、そこを是正する、あるいは足りなかったことを自主トレでこなす、そういったことの積み重ねで人は強くなる、そういうことを廣重毅支部はいいたかったのでしょう。

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  廣重毅支部

まず、 「基本稽古だけでは強くなれない。」 このことを体感を通して認識してもらう。

そして、どういった稽古をすればいいかを先輩や指導員に訊いて自主トレの時間を利用してトレーニングをおこなう。

試合用のオーソドックスな構えからの突きからして、基本稽古の正拳中段突きのやり方と違いますから、その稽古とは別個にトレーニングしなくてはいけないのです。

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その試合用の突きが出来ても、単発では勝てませんから、連打の仕方も自主トレを通して練習します。

そして、さらに、蹴りも交えた攻撃の連打もしなくてはいけません。

それだけでは組み手で上手くはいきません。

そこで、合同稽古の時にスパーリングをおこなって、これまでの自主トレの成果が出るかどうか試してみる。

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上手くいかない…。

白帯や青帯くらいなら後退させることは出来るが、茶帯や黒帯の相手とやると、どうしても受けられてしまうし、カウンターを合わされてしまう。

そこで、どうすればいいかを自主トレの時間に先輩や指導員に訊く。

それはスピードが足りないからということを知る。

そこで、今までよりも速く出すように心掛けてミットトレーニングをおこなう。

そして、その成果を試すように合同稽古のスパーリング時に試してみる。

確かに上手くいく場合もあるが、いかない場合もある。 さらに自主トレ時間にスピードを意識したトレーニングをする。

またも上手くいかない…。

頑張るが、また上手くいかない…。

また頑張るが、また上手くいかない…。


そこで、たまりかねて指導員の人に、どうすればいいかを訊く。

そこで、その指導員が、「速い上段蹴りを出してみればどうか?」と言う。

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「そうか!」と合点がいき、スパーリングで試してみる。

すると相手が、自分の上段蹴りに反応して上にガードをする、するとボディの部分が開いて隙が出来る。

そこを狙ってパンチの連打を放ったら、茶帯黒帯の相手も後退するようになった。


そこで、慢心せずに稽古に励み出席する。

すると、攻撃のみならず、受けの重要性が体感する。

必死にスパーリングをしている時は、興奮していて無我夢中でどういった時に、もらってしまうかわからない。

そこで、どういう場面で自分はもらいやすいのかを指摘してもらう。

のみならず、どういった受けの練習をしたらいいか等をその時に訊く、そしてそのアドバイスを真摯に受け止めて、蹴りや突きの受けの練習を道場が閉まる寸前まで必死にこなす。

そうやって長い時間をかけてはじめて、空手はものに出来る、というのが廣重師範のモラルになっているようです。


本当に必要な基本しか教えずに、あとは、 「自分で考え、自分で訊いて、研究して修錬を積め!」 ということです。

大事なのは、【教えないこと】であるそうです。

教えないで自主性に任せてとことんまで研究して強くなった(=試合に勝てる)人間にだけ、試合用のトレーニング(=朝練)に参加させる、ということです。

非常に意外だったのは、基本稽古だけを教えて、試合用のジャブやワンツーですらも合同稽古でおこなわれていなかったのですし、受けの練習もほとんどせずにスパーリングにはいるのですから、私は非常に驚きました。

基本稽古、移動稽古、型の稽古…これらだけをみっちりやって、いきなりスパーリングをするだけ。

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これでは中量級や軽量級の選手はいきなり試合に出ても勝てずに、途中敗退。


こんな過酷な状態で勝てた人間だけを城南名物の朝練への出席を許され、英才教育を施す。


これでは、重量級の選手だけしか強くなれずにあとは落ちこぼれるだけ。

こんな意見が出そうですが、その通りですね(笑)

それは実際、朝練に参加していた選手をみれば、重量級の選手ばかりですし、入賞者もそうでした。

そのことを他流派の選手や、プロボクサーにも訊いてみましたが、私と同じような意見でした。

しかし、そこはもっと広く見れば、緑健児という軽量級でありながら、世界チャンピオンにまでなった選手が城南にもいるではないか、と反論されそうですが、それは緑健児が活躍していた時代の空手の情報には、的確な情報だけがあった。

しかし、昨今はどれに依拠していいかわからないほどの情報の氾濫で、的確さがないと思うのですね。

ですから、その的確な情報を提供すべく、私は空手用の情報冊子を作制したのですね。

第二の緑健児が出てほしい、ということですね。

また私の冊子に依拠しなくても、これは大事と思う先生がいたら、廣重師範の方法論に、自分がいいと思われることを稽古に組み入れるというアレンジを施す必要があるでしょう。

しかしその時は必ずフィードバックを忘れずに取り入れるということが必要でしょう。

こんな教え方で教わる立場の人は、魂が鼓舞されるような的確な情報かどうかを訊くべきなのは言うまでもありません また、それだけでなく、自分の指導した人間がきちんと結果を果たせているかどうかも見るべきでしょう。

ただ昨今の空手の指導の方法論では見直すべき点が、廣重師範の方法を今垣間見ることで明らかになるのではないでしょうか?

昨今の指導は教えすぎる、あるいはピンポイントで重要なことを教えずに末節なことを教えすぎて指導される側をつまらなくさせてしまう、ということが往々にしてあるのではないか、
そんなことを思って仕方ないのですね。

そういう思いがないならば、私はこのようにページで書いたりはしません。

読んだ人の考えをききたいです。

ここまでのご精読ありがとうございました。

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