極真空手ウェイ.ブログ

フルコンタクト空手を通じて人間的に成長したいという人のためのブログです。

極真分裂以降の極真空手の行方を占う人物とは?

前の『極真分裂20年を振り返る』は結構な人がアクセスしてくれたようで喜びに堪えません。


組織とは何か?

組織のあるべき姿は何か?

その頂点に立つ人間の理想像は?

そんなことを極真分裂の際に考えてしまったのですね。

もう一度その記事を読んでいただきたいです。
  ↓
http://blog.livedoor.jp/hammerdc/archives/9474604.html

今回は、その関連のことを書きましょう。

何年か前、ある時、スポーツ新聞を読んでいたら七戸龍優勝!」という文字が飛び込んできたのですね。

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この七戸龍とは柔道選手で、父親は極真の総本部出身の沖縄支部長である七戸康博なのですね。

その七戸龍100キロを超える巨漢で、数々のタイトルを取ってきた人であるのを知って驚きました。

その実績云々についてはウィキペディアを読むとすごい内容が羅列してあるので、その内容について知りたい人はそちらを見ていただきたいです。

七戸龍 ウィキペディア

しかし、この七戸龍を見るとその壮観ないでたちに、イケメンぶりに驚きますね。

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  七戸龍

その外国人のようなイケメンぶりに!

なぜ外国人のような顔をしているかといえば、母親がベルギー人だからですね。

しかし、身長も体重も父親である康博氏を凌駕しているから驚きですね。

父親は、185センチ110キロでしたが、龍は193センチ120キロですから。

親の遺伝子を見事に受け継いでいますね。

体だけでなく、その精神の素晴らしさも。

龍氏の柔道家についての内容については知らないので、詳説することは避けましょう。

今回はその父の康博氏のことについて書きましょう。

この人のことを初めて知ったのは、91年『第5回世界大会』の時ですね。

この最終日に見に行って、この人の試合も実際に見ることができました。

まず印象に残ったのは、当時30歳ということもあり、非常にベテランとしてのオーラが漂っていたのと、非常に自信に満ちた表情をしているのに惹かれました。

まず、この人の突きの強さが印象に残りました。

その強力さに相手の外国人選手は圧倒され、上体をぐらつかせられて、その衝撃の後につなげられる下段蹴りや膝蹴りの威力は驚異的で、見た目には非常に印象が良く、空手ナショナリズムが世界大会では必然的に出てしまう日本人には、非常に頼もしく見えたものでしょう。

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ただこの大会で思ったのは、突きに頼りすぎかな」と思える戦いぶりでした。 この大会で、七戸支部は準々決勝で緑健児に体重判定で敗れて7位になりますが、その時のインタビューを載せた雑誌を見ると、突きの練習を重点的にやってきたので、それを試すことに意識が行き過ぎてしまった、ということでした。

でも7位に入賞したのですから天晴でしょう。

その次の年の全日本大会にも七戸支部は参戦しますが、その時は突きだけに頼ることなく、得意の突きからつなげる上段蹴りで技ありを取ったり、突きからの上段後ろ回し蹴りで間合いを取るなどして、相手を寄せ付けません。

その変貌ぶりに誰もが驚いたでしょう。

もともとパワーのある空手には注目されていた七戸師範でしたが、そのパワーを生かす組手をしていないことを指摘されていたことは間違いありません。

しかし、この大会において、その面を克服したことも大いにあって、この大会では自己最高の4位入賞を果たすのでした。

この努力ぶりに誰もが注目し、私も注目し、この人の過去の実績やエピローグをいろいろ調べてみました。

そしたら驚いたことに、この人はウェイト制大会において、過去5回出場し4回優勝しているのですね。

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第6回ウェイト制大会決勝で田村悦宏に下段蹴りで技ありを取り、4度目の優勝!

そんなすごい実績があるにもかかわらず、無差別級の全日本大会ではベスト8入りが最高というのですから極真七不思議の1つと考えてもいいでしょう。

七戸支部は、生来不器用だったらしく、組手を見ると雑な部分があったのは間違いありません。

第2回のウェイト制のビデオを見ると、非常に汚く雑な組み手をしている。

延長になると、技の軌道も基本通りでないし、コンビネーションもそんなに続かない。

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でもスタミナトレーニングには余念がなかったので、何とか延長を戦い抜くのですね。

雑で汚い組手でも、パワーはあるので、相手は後退を余儀なくされて七戸支部長の勝利、そして優勝を飾るのです。

この人の、偉人伝はよく語られていたもので、やはり頑張りには大山総裁も称えたものです。

七戸支部
は、本部内弟子になり3年間の寮生活をやり抜いたのです。

その真面目ぶりには、誰もが見習わなくてはいけないでしょう。

本部内弟子生活では、基本稽古や移動稽古を延々とやらされたようで、あまりの過酷ぶりに七戸支部長は、トイレに行っても腰を屈めることができないほどの筋肉痛になったようですね。


その過酷ぶりに堪えたからこそ、あの破壊力抜群の技を身に着けることができたのですね。 その培った体力があったからこそ、雑で汚い組手でも相手が後退してしまうことになったのですね。

大事なのはこの体力作りの面ですね。

空手に限らず格闘技は、相手を攻撃で倒すことです。

そのために一番大事なのは、攻撃力ある技なのですね。

その攻撃力を一番中心に稽古を重ねなくてはいけないのは言うまでもないのです。

コンビネーションやテクニックがあっても、パワーがなくては相手を倒すことはできないのです。

逆を返せば、コンビネーションやテクニックがなくてもパワーがあると相手は引くから組手が面白くなるのです。

その格闘技における基本を忠実に守っていったからこそ七戸師範は空手が面白くなり、空手を続け、さらなる技術的な向上をしていったのでしょう。

第5回世界大会頃の七戸師範の組手には、雑とか汚いという形容は全くなかったのです。

初めにコンビネーションやテクニックが最初にありきでは絶対に七戸師範の実績は生まれなかったでしょう。

こう書くと、前に書いた鈴木国博エウェルトンテイシェイラを思い出すでしょう。

鈴木
  鈴木国博

この2者にも共通するのは、当初は非常に雑で汚い組み手をしていたが、パワーを重点的につけて空手の修練に明け暮れたから、組手が面白くなり、さらに修練を重ね、技術的な向上を果たし、最終的には誰も寄せ付けないような強さを身に着けることになったということです。

こういう、「パワーを一番重点的につけていくことで、組手が面白くなるからさらに修練を重ねていける」というのが王道と思われて私はならないのですね。

そのことについて書いたページは以下。
  ↓
http://rattroll.blog110.fc2.com/blog-entry-149.html

大山総裁
は生前、松井章圭の組み手について「これほど上手い人間はいない!」とテクニック面に非常に称賛していましたが、七戸師範の努力面やパワーにも称賛していたのです。

松井章圭氏の自叙伝を読むと、パワー養成の稽古をしていたことがよくわかります。

その稽古よりも、テクニック面の強化のほうに意識が行っていたがために、こんにちの松井派における情報の偏りが起きてしまったのではないかという気がしてならないのです。

そして、松井氏のパーソナリティの低さも、こんにちの極真の離脱劇の多さも招いてしまっているのではという気もします。

松井派の選手の組み手を見ると、やはりきれいな組手をする人が多いです。

技術的な向上は空手界においては望ましいことであることは間違いありません。

しかし、鈴木国博エウェルトン、そして七戸師範のようなパワーを秘めた組手をしている人がいないのは憂える事態です。

攻撃力、これが一番大事なものですから、その王道に沿ったことをしている人がいないのはいけません。

前に紹介した鈴木国博師範の自叙伝で紹介したのは、鈴木国博師範岩崎達也黒沢浩樹といった世界大会出場選手や入賞選手を破った時に、三瓶啓二師範は褒めてくれたが、松井氏は、「君の組手は汚い」と物言いをつけたということです。

しかし、松井氏のように短期ですぐに華麗なテクを身に着けられる人は稀であり、最初は雑で汚い組み手をしていても、パワーを重点的につけていって、それがために組手が面白くなって、細かい点を矯正していって、きれいな組手をするようになるパターンも往々にしてある、ということも理解していかないとだめということです。

きれいな組手をすることが最優先に考えてしまっているのです松井章圭氏は。

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  松井章圭

それが大山総裁逝去後、氏が館長になり、月刊誌『ワールド空手』を発行するにあたり、その価値観が前面に出てしまったがために、松井派の日本人の組手の弱体化を招いてしまっているように思えてならないのですね。

そのようなことを思ってないと松井氏はいうのかもしれないですが、氏の価値観を前面に出しすぎた雑誌を出し続けていては、パワーは二の次三の次という考えを持ってしまう人が大勢でていることを理解しないといけません。

95年の極真分裂後、支部長協議会派が母体となった新極真会の代表になった緑健児もテクニックは素晴らしいし、松井氏緑健児について以前に「テクニックでは世界一といっても過言ではないでしょう。」とテレビで言っていたのは間違いないです。

しかし、それでも新極真会の日本人選手の弱体化は見られないです。

なぜか。

緑代表は、テクニックもさることながら、パワーの重要性について認識できて、それを選手や道場生たちに講義し続けているからですね。

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   緑健児代表

これはコンビネーションやテクニックがなくてもいいなどという暴論は言いますまい。

しかし、それが最初にありきでは絶対に強くなれなないですし、強くなれないから面白くなくなってか空手をやめてしまう人も多く出てしまうということです。

『極真分裂20年を振り返る』で指摘したのは松井氏のパーソナリティのレベルの低さです。

大山倍達松井章圭、この2人の大きな違いは、松井氏は個性を認めない」というところにあるでしょう。

大山総裁は、生前多くの本を読んでいたことは間違いありません。

大山倍達
    大山倍達総裁

その内容について吟味して、実生活において向上すべきことがあったら、それを参考に実践する、このことを継続していた人でした。

本を読む、そのことでいろんなひとのいろんな考えが学ぶことができるのですね。

こういう考えもあるんだ、ああいう考えもあるんだ、という人間の深さや広さを見ることができるのですね。

本とは、いろんな人智の積み重ねが詰まった情報の集まりですから、人生の質的向上を目指す人ならば、必ず読んでいかなくてはならないものです。

学ぶだけでなく、そこに書いてあることを吟味しながら実生活で実行していかなくてはならないでしょう。

また、巨大な組織に立つ人間であれば、必然的に人々を啓蒙していかなくてはならないでしょう。

大山総裁
は生前に、多くの本を出しました。

その数40冊以上

本を書くのにおいては、「無から有を生み出す」などということは不可能です。

多くの本を読んでいかなくては、書けないのは他言を待ちません。

常日頃から、読書を重ねていった人のみが可能なのです。

あれだけの数の本を大山総裁が出せたのは、日ごろから読書を怠っていなかった何よりの証拠ですね。

しかし、松井氏はそういうことを怠ってきたとしか言いようがないですね。

氏が館長になってから、本は1冊しか出していないし、そういう意向も見れない。

読書を怠ってきた、ゆえに本も出せないし、ゆえに複眼が持てないので人の個性を認めれないのでしょう。

だから、館長に就任するなり、これまで極真のために貢献してきた5氏支部をいとも簡単に除名にできた。 のみならず、自分のかつての師匠である盧山初雄や先輩である水口敏夫氏をいとも簡単に除名にしてしまったのでしょう。

除名の理由が、私には信じれなかったのは、「意見が合わないから」というとんでもないないものであったから驚きました。

自分の価値観だけが至高のものであると決めつけて、それ以外は決して認めない。

これは、読書の怠りであり、それゆえにそういう決定を下せるのではないかと思われて仕方ないのですね。

私は、大学入学を期に読書を猛然とするようになりましたが、それゆえにいろんな意見をくみ取るようになりました。

読書によっていろんな個性を認めれるようになったのですね。

これは、単に年齢を重ねることでは不可能なのです。

ゆえに、そういう個性を認めれる人間こそが、巨大な組織の長になるのにふさわしいのです。

大山総裁
は、生前に何人かの支部長を除名にしたようですが、その際も何回も支部長会議を開き、除名にするのを最後の最後までためらったものだったようです。

しかし松井氏は、これまで何のためらいもなく何人もの支部長を除名にし、それを不服とした他の支部長の意見をくみ取ることなくそのままにし、それ故にその支部長が松井派を抜けるといっても、引きとどめようとせず、「去る者は追わず」といった毅然たる態度で傍観していただけ、ということです。

去る者は追わず、というのはいただけないのである。

これまで一緒に苦楽を共にしてきた人が去るのを傍観しているだけというのは、その人の心をぞんざいにしているのですから、人をなんだと思っているのか!といぶかしくなります。

世界大会を2連覇し、世界大会の監督も務めた中村誠支部松井派を離脱してしまったようです。

その理由はわかりませんが、やはり松井氏への不満が鬱屈していったのでしょう。

世界大会の監督を務めた人間が、これで2人も抜けてしまった…こんな組織にいようと思うのは私には信じれない。

これから、更に脱退する支部長が出るのではと心配なのは確かである。

こういった人間関係における不憫さに加え、攻撃力やパワーについての重要性をほとんど講義することなく、テクニックや見た目の良さだけを選手や道場生に求める姿勢もやはり批判しなくてはならないでしょう。

先にも書いたように、圧倒的なパワーを誇る選手がいまだに松井派に出現しないのは憂える事態と言わなくてはならないでしょう。

鈴木国博、エウェルトンテイシェイラ、そして七戸康博とこういった人たちと同等の身長があっても、同等のパワーを得た人がいないのは、やはり危機である松井派の。

七戸

この3者に共通する「汚く雑な組み手をしていたが、パワーをつけていった挙句、手の付けられないような強さを身に着けていった」という例のある選手がいないのも、である。

パワーとは、何もウェイトトレーニングだけでは取得できないたちのもので、基本稽古、移動稽古、そして自重体重を使った鍛錬を重ねないとできた話ではないのです。

そのパワーは、テクニック重視、見た目重視の団体の中からは出てこないのは明白である。


その団体の思想全体を構造的に変えなくては。

テクニック重視、見た目重視という言葉から醸し出される思想は、やはり一朝一夕にすぐに得ようとするものですが、それとは対極にあるものであることは言うまでもないでしょう。

その長い年月をかけて醸成していく中でも、「楽しい!」という気持ちを少数の人間だけでなく、多くの人間が持つことが大事なのは言うまでもないでしょう。

稽古は1人でするものではなく、大勢の人間が一堂に会して、人の行動を見ながら、またスパーリングで相手の技を受けるなどの触発を受けて自分の空手の内容を向上させていく性質のものだからです。

誰もが楽しいと思えるようにするためには、テクニック重視、見た目重視の指導では、だれもが「難しい」「特定の人しかできない」という認識を持ってしまうのが必然です。

しかし、破壊力重視という当たり前の情報を与えることで、誰もが「楽しい!」はもちろん「自分にもできる!」という楽観主義を持つことができるのは明白です。

そういう楽観主義が組織には大事なのです。


そのためには古参の空手の重鎮たちの意見を聞かなくてはできた話ではないのですが、松井氏にそういった古参の重鎮たちを組織内に引きとどめる人間的な魅力が欠如しているので、それができた話ではなくなっている。

ではいつからそれが可能となるか、全然わからないのである。

何も松井章圭は、テクニックだけつければいいとか、組手が汚い人は空手をやる資格なしといったことは、言っていない。

しかし、その氏の価値観だけを前面に出しているがために、そういう誤解をしてしまっている道場生が多く出てしまっているのは確かではないだろうか?

2015年世界大会を見ても、松井派の日本人選手はテクニック重視で、外国人選手なかでもロシア人選手に、スピードとパワーで負けているのは明らかだった。

それを小手先のテクだけで対処しようとしても不可能事である。

こういった誤解をしてしまうことは往々にしてあるのだ。

だからその内容を変更していくことが大事である。

その際、必要不可欠なのは、読んだ人の意見である。

読んだ人がどういう印象をもったかを、つぶさに聞いていくことでしかない。

それを汲み取る必要が松井氏にはあるのだが、自身は哲人政治、賢人政治をおこなっているつもりになっているのかわからないが、そういう姿勢がまるで感じれない。

また少しでも不満を表明すると、気に入らないといって除名にしてしまうので始末に困る。

努力の人であった七戸康博氏は、本部の出身で松井氏の後輩にあたる人物で、当然交流もあった。

87年世界大会でも一緒に参戦した。

そして沖縄支部長に七戸氏が就任し、その後年95年に極真は分裂。 先輩後輩の関係であるから、当然七戸支部長は松井氏の側につくのかと思いきやさにあらず、支部長協議会派に賛同し、95年の世界大会においても、松井派の大会には来ず。

先輩にあたる人物の大会でも出席しなかったということは、かなり松井氏に不満が鬱積していったのだろうということが想像できた。

七戸氏は、松井派と袂を分かち、95年極真会館の分裂の際に、支部長協議会派につき、その後、その派とも袂を分かち、今は一般社団法人極真会館の沖縄支部長を務めている。

松井章圭が、自分の団体で「館長」を名乗っているゆえに、その団体(一般社団法人極真会館)の長と間違われてしまうので、その館長の名を名乗るのはやめろという申し立てを一般社団法人極真会館が松井氏にして、裁判になっているようだが、その経緯については重要性がないのでここでは論じない。

ただ、七戸氏は非常な努力家で、多くの空手家の模範となる人物であることは間違いない。

その内容について書いた本があればいいのだが、残念ながらないのである。

ただその内容について知っていることが大いにあるので、機会があれば再度論じていきたい。

●その七戸康博氏も登場するのが弊社発行の冊子である。

先にも書いたように、空手で強くなるには楽観主義がまず第一に必要なことに違いはない。

その楽観主義をもって、目の開けるような楽しい空手人生が送れるものと確信しているのである。

興味ある方はどうぞ!
  ↓
http://karate-rush.info/index.html

では今回はこれにて終了します。

ここまでの精読に感謝します。

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