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ヴァレリーディミトロフの偉業を振り返る!

先日、テレビで放映された新極真会の世界大会をみました。

 

しかし、その時印象に残ったのは、ヴァレリー選手の取材ですね。

 

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ヴァレリー・ディミトロフ

 

彼の国のブルガリアにまでいって彼の道場での練習風景、インタビューもなされていました。

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彼は、彼独特の蹴りである下段かかと蹴りをしていますが、これが非常に強烈で、相手の動きを止まらせるに充分な技でもあります。

 

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下段かかと蹴り

 

しかし、それだけに拘ることなく、技全般を得意技にしているというのです。

 

その理由を訊くと、「それだけにこだわっていては対策を練られてしまい、自分に有利に試合を運ぶことができなくなってしまうからだ」と言います。

 

謙虚な姿勢ですね。

 

しかし、彼が日本でも有名になったのは、12年前新極真会の世界大会からですね。

 

当時の彼は、ヨーロッパ中量級準優勝の実績を引っ提げて日本に乗り込んできました。

 

順調に勝ち進む中、準々決勝で彼は大番狂わせを演じることになります。

 

第6回世界大会チャンピオンである塚本徳臣と対戦し、中段突きの技あり2つを取って合わせ一本勝ちを収めるのです。

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塚本徳臣

 

会場内がざわめくのがわかりました。

 

しかし次の準決勝ではアクシデントが襲い、相手が足を出したところ角度の悪いところにあたってしまいヴァレリーは倒れこみ一本負け。

 

次の3位決定戦においては棄権せざるを得なくなってしまいました。

 

その後も着実に実力をあげて、2年後の体重別のウェイト制世界大会である「ワールドカップ」では中量級で優勝してしまいました。

 

全ヨーロッパ大会では突きやかかと蹴りによる一本勝ちを量産するまでになり、『KO製造工場』の異名までつけられることになるのです。

 

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こうなっては、日本にとって脅威になるのは当然でしょう。

 

2007年「第9回世界大会」では、向かうところ敵なし、というような順当ぶりで勝ち進みますが、準決勝日本の重戦車塚越孝に力負けしてしまい、惜しくも3位に終わります。

 

その2年後の「ワールドカップ」では重量級に体重を上げ、決勝で塚本と対戦し、リベンジマッチになりましたが、延長の末3-0の判定勝ちで勝利をおさめ、返り討ちにするのです。

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またも塚本に勝つ(「ワールドカップ」において) 

 

この年の全日本大会でも、次の全日本でも塚本が優勝しました。

 

しかしヴァレリーには敗れている。

 

これでは、これまで守ってきた新極真世界大会の王座も完全に風前の灯…などと思ったのは決して私だけではないでしょう。

 

しかし、何故か次の世界大会では奇跡が起きるのです。

 

5回戦で、日本の重量級チャンピオンであった島本雄二と対戦しましたが、島本雄二は敢然と立ち向かい、真っ向から打ち合い、打たれても我慢して、決して下がらずに5分の戦いを演ずるのです。

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対島本雄二戦

 

完全に互角のまま延長2回が終わり、差がないまま試し割り判定になり島本雄二が勝利しました。

 

しかし、ヴァレリーはあきらめずに選手を続け、ヨーロッパ大会では当然のごとく優勝を重ね、「ワールドカップ」でもまた重量級で優勝するのです。

 

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「ワールドカップ」決勝でルーカスクビリウスに勝ち優勝

 

そこで3位に終わった島本雄二が、全日本で優勝したことをみて、「外国人のほうが日本選手よりもレベルがあがっている。日本が他の国の選手を追いかける構図になっている。」と感じたのは私だけではないでしょう。

 

そして今年の世界大会です。

 

これまで、島本雄二に敗れて以来ヴァレリーは無敗でした。 松井派の世界大会では、2回連続で外国人が優勝しているけれど、新極真会でも今度こそ外国人王者誕生か? という心配をしながら、今回の世界大会をみました。

 

しかし、何故か新極真会世界大会では日本人選手に奇跡が起きるのです。

 

松井派の世界大会ではそういうのがないですが…。

 

前田勝5回戦で延長2回判定で敗れるのです。

 

前田選手の立ち向かい方は、4年前の世界大会時の島本選手と一緒。

 

敢然と懐に入って突きを放ち、蹴りをピンポイントで何回も同じところに放っていくのです。

 

ヴァレリー『KO製造工場』の名を抱いたように、技全般が強いのです。

 

しかし、前田選手は臆することなく敢然と立ち向かい、打たれても我慢して下がらず、打った後に、ヴァレリーの技が当たらない場所にスイッチしていくがために、ヴァレリーの技が有効に当たらないのです。

 

しかし、思ったのはヴァレリーに元気さが薄れている、ということです。

 

これまでいろんな選手を取材してきてわかったのは、誌やテレビのインタビューにはのらない選手にしか知らない事情がある、ということですね。

 

もしかしたらそれまでの戦いで、深刻になるほどのダメージを受けたのかもしれない。

 

その前に、稽古中にケガを負ってしまったのかもしれない。

 

また体調不良に陥ってたのかもしれない。

 

それは、本人にしかわからないものです。

 

しかし、そういったことも全部含めての大会ですから、それをいったからとて勝ちになるわけではないことは重々私も承知しています。

 

しかし、8年前塚越孝之選手と当った時のようなオーラが感じれない、ということですね。

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対 塚越孝之戦(第9回世界大会)

 

自分の本領を発揮することなく判定負けを喫してしまったのです。

 

これまで4年間無敗であったヴァレリーから勝ちを奪った前田勝汰選手は非常に天晴れと言うほかありませんでした。

 

体格や実績でまさる相手に敢然と勝ちにいく姿勢には私は鳥肌が立ち、興奮でその場で50メートルダッシュをしたくなってしまいました。

 

もしかしたら、ヴァレリーは本番に弱いタイプなのかもしれないのかとも思いました。

 

それまでは、自分のために楽しんでいこうという気概で試合していたのが、今度は実績が重なるにつれて、大勢の人たちから「初の外国人王者か!」というような期待をかけられて精神が委縮してしまい、自分の本領が発揮できずに終わってしまった、そんなことも考えれますね。

 

長距離ランナーで瀬古利彦という人がいましたが、それまでは自分が愉しむために長距離ランナーをしていて実績を挙げていましたが、それからオリンピックに出場することが決まって、また周りの人間からの期待も大きくなり、そのプレッシャーから本領発揮できずに、下位で終わり。

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瀬古利彦

 

また次の大会では、体調が思わしくなく途中棄権という結果になってしまいました。

 

そんな状態だったのかなとも思いますが、日本人にとっては、世界大会になるとどうしても空手ナショナリズムが心で燃え盛るので、彼の敗北は嬉しくなるのですが、彼にとっては非常に哀しい出来事だったでしょう。

 

大会が終わって虚心坦懐になって彼の立場を考えれば、日本人に負けた時に大きな歓声が起こったのは精神的につらかったことでもありましょう。

 

彼登場の頃からを俯瞰して、彼のレベルの急激な上がりに日本人選手が触発を受けて、稽古に打ち込むようになったのは間違いないでしょう。

 

そして彼は、新極真史上最強の外国人」とも言われたのです。

 

そういったことを考えれば、彼の偉業は大きく讃えられてしかるべきでしょう。

 

彼は今年34歳

 

これから先選手をしていくのかどうかはわからない。

 

たとえ終わっても、彼から学ぶべきことは大いにあるはずです。

 

彼の軌跡や精神、稽古風景を知るにうってつけのソフトを以下に紹介してこの記事を終わりたいと思う。

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